【ブランディング基礎7】ブランドと品質の関係性
2020.09.26
みなさんこんにちは。
アートディレクターの山口崇多です。


前回の投稿からだいぶ間が空いてしまいましたが、みなさまお変わりないでしょうか。
今日から再び、ブランディングについて書いていきますので要チェックでお願いします。



今回のテーマ ブランドと品質の関係性


おしゃれをしようと思って少し高い服を買ったは良いものの、なぜかすぐに糸がほつれてきてしまった。気に入っていたのに・・・。なんて経験をしたことはありませんか?対して、何度も着て何度も洗っているはずなのにそこまで状態が悪くない高校生時代の体操着を、今でも部屋着にしている、なんて方も少なくないはずです。
このように、ハイブランドだからと言って高品質とは限りませんし、安いものでも丈夫で高性能だったりします。それにも関わらず、なぜか「ハイブランド=とっても良いもの」と思ってしまう(思えてしまう)謎に、今回は迫っていきたいと思います。


品質と知覚品質

まずは、「品質」について説明していきます。私は品質とは、欠陥や危険性がなく、要件通りに、完璧に仕上げられているか?などといった観点で判断された結果を指すと考えています。つまり、ある基準を満たしているかをテストした結果で良し悪しが決まるものと捉えています。例えば1km分の線を引けるように設計されたはずなのに10cmの線を引いただけで色が薄くなってしまうマーカーペンは、品質が悪いと判定されます。このように、一定水準を達成しているかどうかは主観で決めるのではなく、テストで判断するので、この判定に対し異論が唱えられることは滅多にないでしょう。

ブランドを「とってもステキ」と感じてしまう原因となる品質は、上記のような商品の実際の品質とは異なる「知覚品質」というものです。
知覚品質は、ユーザがそのブランドの製品機能の良し悪しだけでなく、質感・デザインのかっこよさ・使っている時の高揚感・人に自慢したくなる気持ち・ブランドへの信頼感などから抱いている感覚のことをさします。ブランド力が強い商品ほど、実際の品質よりも知覚品質の方が高いと考えられています。たとえ2km分の線が引ける高品質ペンが売り出されても、そのペンにブランド力がなければ、皆が魅力的に感じるとは限らないのです。


知覚品質は、ユーザがそのブランドの製品機能の良し悪しだけでなく、質感・デザインのかっこよさ・使っている時の高揚感・人に自慢したくなる気持ち・ブランドへの信頼感などから抱いている感覚のことをさします。

知覚品質は、実際にその商品を使用したり、見たりという実体験を通して認識されます。「このおしゃれなインスタグラマー、最近いつもこの鞄の写真をアップするなあ。」「今日も電車でステキな人があの鞄を身につけているのを見た。(流行っているなあ)」「実際に使って見たら、自分も流行の最先端にいるようで誇らしい気持ちだ。」などという経験・体験を経て、どんどん知覚品質は上がってゆくのです。

実際の品質だけが高い商品の場合、ユーザの感情に訴えかけるような魅力が弱いので、品質以上の評価がされにくいです。簡単にいうと、印象に残りづらいので、ユーザに選ばれ続けたり、プラスの感情を抱いてもらいにくいのです。品質・知覚品質共に大切なのですが、好印象を抱かれるためには、ユーザの知覚品質を高めていく必要があります。


知覚品質を高めるにはどうする?

有名なブランドだからと言って高品質とは限らないのに、「有名ブランド=とっても良いもの」と思ってしまうのは、商品自体の品質というよりも、ユーザがその商品に対して抱いている知覚品質によることが分かりました。では、どうやって知覚品質を高めて行けば良いのでしょうか。

知覚品質はユーザの実体験に基づいて出来上がります。商品を実際に使用している時に、他とは違う特別感が味わってもらえるように、その商品の良いところを感性・視覚に訴えかけてゆく必要があります。具体的には、ユーザと商品の接点を改良するために、商品だけでなく、商品を売る店舗の内装を整えたり、販売員さんの接客対応を向上させるような研修を行ったり、一番長くユーザと接することになる商品パッケージを、ブランドの世界観をしっかり伝えられるデザインに刷新する等が有効です。
おしゃれに敏感な人々に人気のスキンケアブランドAesopは、とても商品の質が高いのはもちろんですが、荘厳さと自然の暖かみのバランスが絶妙な内装のショップ、一人一人の目線にたった丁寧な接客、Aesopらしさの詰まったパッケージデザインと、細部まで手の込んだブランド作りがなされています。

このように商品の良さやブランドの信念をユーザに感じてもらえるよう、細部まで気を配ることで、ユーザの知覚品質を高めていくことが可能です。品質に見合った評価を受けられていない場合は、店舗やデザインなどを見直して見ることをおすすめします。


知覚品質を高めるために絶対にやってはいけないこと

ユーザの知覚品質を高めていくにあたり、絶対やっては行けないことがあります。それは、実際の品質よりもはるかに立派に見えるよう見た目で誤魔化すことです。

知覚品質はユーザの実体験に基づいて認識されます。実際の品質を高める努力を怠り、見た目だけで誤魔化そうとすると、ユーザが実際に体験した際に、「期待していたほどではないな」と裏切られた気持ちになります。期待と実際の品質の差が大きくなるほどブランドへの印象が悪くなってしまうのです。

このような間違いを起こさないため、デザインを見直すときは、ブランドの価値観・信念の再確認、コンセプト策定から行い、商品の良さを適切に表す必要があります。無理に背伸びをする必要はなく、どの商品にも必ずある、他にはないステキなポイントを推していくようにしましょう。


さいごに

ブランド力が高い商品はユーザの知覚品質を高めるため、実際の品質よりも好印象をもってもらえます。商品開発の大切さはもちろんなのですが、それと同じくらいブランドを育て、知覚品質を高めてゆくことが大切なのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました! デザインやブランド育成にお困りのかたは、CONTACTページからお気軽にご連絡ください。




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